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【兎虎SS】あなたは僕にとっての、最愛の人だから

7/31の【みんなのおじさん】で配ったフリーペーパーの兎虎SSですw

14話のレッスンしているときの兎虎+カリーナ特別出演です(笑)
とっても短いですが;;;






【あなたは僕にとっての、最愛の人だから】



「じゃあ、今日はこれでやめるけど……タイガー本当に大丈夫なの?」
「おォよ。ばっちりすぎて困っちゃうくらいだ」
「とかいって、最後が一度も合わなかったじゃないですか。明日は頑張ってくださいね。それじゃあ、僕はこれで……」
「あ、バニー」
 休憩を挟み一時間ほど練習して、カリーナの一声で最終日の練習は終了。
 やり始めに比べれば、三日間の練習でダンスがだいぶ上達した虎徹だったが、結局最後のキメのポーズだけはどうしてもワンテンポ遅れ、一度も合わせることができなかった。
 でも、この人が何もせずに終わってしまうような人ではないことを、バーナビーは知っている。
「どうしました? 虎徹さん」
「今日、先に帰っててもらえるか?」
「何かあるんですか?」
「ちょっと……な」
 こんな風にごまかしてはいるけれど、バーナビーは気付いている。
 休憩するとき部屋を出て、少しだけカリーナに話しかける虎徹の声を立ち聞きしたのだ。
『なァ。今日の夜、空いてるか?』
 虎徹は、居残りで練習するつもりなのだ。
 そんな密かな努力を、バーナビーには見せようとしないところが、随分と虎徹らしい。
「……わかりました。明日本番ですから、遅れないようにしてくださいね。では、お先に失礼します」
 虎徹が隠すつもりであれば、無理に詮索するつもりはない。
 だからバーナビーは、あっさりと虎徹の言葉に頷き、挨拶をすると二人を残してその場を後にした。
 もちろん、先に帰るつもりなどまったくない。こっそり残って、驚かせる気満々だ。
 ロッカールームのシャワー室で汗を流し、髪の毛を乾かしセットして、時間を潰すためにラウンジでコーヒー一杯のブレイクタイム。
 そう言えば、虎徹が『ブレイクしないと、ブレイクしねェぞ』と、オヤジギャグながら随分と上手いことを言っていたっけと思い出したら、可笑しくなってきて、思わず含み笑いをしてしまう。
 通りがけの人に不思議そうな表情で見られてしまい、いけないいけないと慌ててクールな表情に戻したけれど、心の中では未だに含み笑いが止まらず、気を抜けば吹き出してしまいそうで、ちょっぴり一苦労のバーナビーである。
『あんた、変わったね』
 あの後、カリーナに言われた言葉。
 バーナビー自身も、自覚している。
 出逢ったころは、彼の身勝手さや暑苦しいヒーロー論、お節介なところも含め、すべてに拒否反応が生まれ、疎ましく感じていた。
 けれど、ルナティックが現れたころから、バーナビーの中で少しずつ虎徹に対する【何か】が変わっていった。
 自分を犠牲にしてまで他人を助けようとする、他人のために無茶を惜しまない人を、バーナビーは初めて目の当たりにしたから……。
 少しずつ、少しずつ、この人のことを信じてみようと思うようになった。
 一度その思いは、ジェイク事件の時に虎徹の手によって、粉々に打ち砕かれたけれど……だからこそ、【今】があるのだと思う。
 人を信じることは、簡単に思えて凄く難しい。
 それでも、虎徹の【信じ方】にバーナビーは衝撃を受けた。

『だって俺は、おまえが俺を信じてくれるって、信じていたからな―――』

 相手を信じるだけじゃなく、相手も自分を信じてくれると信じる……本当に相手を信じ、理解をしていなければ言えない言葉だ。
 だからバーナビーも、ようやく虎徹を心から信じることができたのだ。
 常に共に過ごし、ヒーローとしてピタリと息を合わせることが出来るようになり……心から信じ合う者同士が、バディ以上の関係になるのは当然の成り行きだっただろう。
 キッカケはバーナビーが作り、行動に起こしたのは虎徹。
 ジェイク事件後、二か月ほどが経過したころだった。
 いつものごとく、人の家で上半身裸になる虎徹の姿を見て、何故かその時のバーナビーはひどく欲情して兆してしまったのだ。
 隠しきれずに虎徹にバレてしまい、茶化されるかと思ったのに、予想に反して虎徹が照れくさそうに『俺がヌいてやろうか?』と、とんでもないことを提案してきて……。
 この時のバーナビーの中に、【断る】という選択肢は存在しなかった。
 何故、虎徹がこんなことを言い出したのか、今となっては聞くことも出来ないけれど……虎徹が言い出し、バーナビーが頷いたこの瞬間、二人の関係はバディ以上のものになった。
 おそらく、それまでの二人にいわゆる【恋愛感情】と呼ばれる感情は、なかったと思う。
 少なくとも、バーナビーにそんな意識は存在しなかった。
 ただ、信じ合えるこのパートナーと、できる限り長く、長く一緒にいられたら……そう、漠然と願っていただけ。
 けれど、この時虎徹に対する愛おしい感情が膨大に膨れ上がり、初めて自分は虎徹にそういう感情を向けているということを知ったのだ。
 ジェイク事件の頃の自分が、今の自分の姿を見たら、きっと信じられずに認めることも出来なかっただろう。
 今は、こんなにも愛しくて、大切で、仕方がない―――
 引き出しがまったく尽きない、宝箱のような彼のことを、もっともっと知りたいと思う。
 そしてもっともっと抱き締めて、キスをして、愛し合いたいと……バーナビーは強く思うのだ。
「そろそろ、終わるころかな……」
 腕時計の針を確認して、バーナビーはすっくと立ち上がる。
 虎徹のことを考えていたら、無性に虎徹に逢いたくなってきた。
 つい一時間ほど前に顔を見ていたというのに。既に虎徹欠乏症になっている自分が、なんだか可笑しく思えてならない。
 復讐しか考えられなかったあの頃、目の前が明るく見えたことなんて一度もなかった。
 そんなバーナビーに光りを与えてくれたのは、虎徹。
 今は、すべてが楽しくて仕方がない。
「僕が残っているなんて知ったら、驚くだろうな虎徹さん」
『バニー、おまえ、まだいたのか!??』
 目を丸くした虎徹の顔を思い浮かべ、口元に笑みを浮かべる。
『あなたが僕に隠れてこっそり努力しているってわかっていて、僕が先に帰るワケないじゃないですか』
 こんな風に返せば虎徹は更に驚いて、動揺するに違いない。
 虎徹のことを考えただけで、とても明るく、温かい気持ちになれる。

 あなたは僕にとっての、最愛の人だから───

 今日は、たくさん労ってやろう。
 明日のイベントのことを考えて、バーナビーから【仕掛ける】つもりはないけれど、虎徹から誘ってくればもちろん断るつもりもない。
 そんなことを思いながら、バーナビーは再びロッカールームへと向かったのだった。

 驚く虎徹の顔を、見にいくために。



*終*




最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!

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Author:眼鏡帽子屋*くー
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