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6/26 新刊 【兎虎】 プレゼントの受難

6/26 COMIC CITY東京の新刊①情報です。

※通販の方法は、後程アップいたします。

【プレゼントの受難】 2011.6.26/A5/P34/オフ/73g/¥300

*表紙*
present_hyoshi.jpg


▼プレビュー
【プレセントの受難】 冒頭より



「クソッ……なんでこの俺が、こんなお手伝いさんみたいなことをしなきゃならねェんだ……」
 ブツブツブツブツブツブツブツブツ……。
 だだっ広い部屋に、先ほどから途切れることなく虎徹の悪態が、壊れたレコードのように繰り返し呟かれている。
 虎徹が現在居住しているマンションの、三倍の広さはあるんじゃないかと思えるくらい、超高級且つ高層マンションの一室が、我が生意気な相棒の住居である。
 ロフト式の虎徹のマンションだって、決して狭くはないハズなのに。何故こんなところに住めるのか、問い質したくなってくる。
 否が応もなく、ココに連れてこられた矢先のこと。
二十代からウェイトを維持している自慢のスマートな体には、どこから引っ張り出してきたのかフリフリのエプロンが。
 トレードマークのハンチングキャップの代わりに頭を飾っているのは、懐かしいきおふくろの面影を思い起こすような、白い布の三角巾。
 そして、市民を守り続けている(以上に器物損壊を繰り返している)百倍のパワーを繰り出す腕には、モップとバケツを抱えて……。
 明らかなる【お手伝いさん】の姿で、虎徹はバーナビーのだだっ広すぎる家の掃除に勤しんでいた。
「何でって……だってアナタが自ら志願したことじゃないですか。『俺がプレゼント』って公言したんでしょ? だったら、僕のモノになったアナタをどう扱おうと、僕の自由ってヤツですよ。ねェ? オジサン」
「……クッソ〜」
 言いたい放題の言われようだが、自分の非は否めず何も言い返せない虎徹には、こんな負け犬的悪態しか吐くことができない。
 常日頃からお節介だの、自分勝手だの、迷惑だの、考えが古いだの、オジサンだの、いい加減コンビは組めないだの……挙げたらキリがないが、相棒の口から飛び出る虎徹に対する言葉は、80〜90パーセントが文句や嫌味である。
 故に、日頃の蓄積された鬱憤を晴らしているようにしか思えない。
 もちろん腹が立たないワケがないが、虎徹の性格上ここで放り出すのは余りに情けない感もあるし、随分と大人気ない感じもする。
 ましてや誕生日って考えると、こんな日くらいは我慢してやるか、とお節介心が顔を覗かせてしまうのだ。
 よって、何だかんだ悪態は吐きながらも、虎徹は言われるままに家政夫をこなしているワケである。
 既にピカピカに磨き込まれているフローリングに、ゴシゴシとモップ掛けをしながら、思ってもいない冗談は軽はずみで言うもんじゃないと、つくづく痛感してしまった今日この頃。



『へェ……センパイが、僕のプレゼントになってくれるんですか。良いことを聞きました』
『え……? あ〜っと……あんなの、冗談だぜ? 本気になんか、するなよ? バニー』
『何言ってるのよ。文句ばかり口にしているけど、結局可愛い後輩のことが大好きってことなんでしょ? 何だか気に入らないけど(小声)』
『ちょっと……オマエら、変な言い方すんな! 誰がこんな可愛げのない後輩なんざ……!』
『コッチだってアナタに好かれても、イイ迷惑なだけです。気持ちワルイ』
『なんだとォ!』
『【喧嘩するほど仲がイイ】って言うものね? ハンサムなんて、既にタイガーちゃんの扱いに慣れちゃった感じ♪ 【猛獣使い】ってヤツかしら?』
『ファイヤーエンブレム、てめェ人を猛獣呼ばわりするんじゃねェよ!』
『僕には、バーナビーという名前が……』
『オマエもツッコミ所はそこじゃねェだろ! しかもオマエ、さっき俺から【プレゼント】もらったじゃねか』
『あァ……たしかに、アレは僕もせっかくなので有り難くいただきました。でも、コッチも面白そうなんで、有り難くいただきます』
『はあッ!?? オオオオ、オマエちょっと待てっ。何血迷ったこと抜かしてんだっ! つーか、せっかくとか一言余計なんだよっ。素直に「ありがとう」って言えっつーのっ。可愛くねーなァ』
『は? センパイこそ何言ってるんですか。自分で言っておいて、取り乱す理由も逆ギレされる理由も、ちっともわかりません。てゆか、オジサンに可愛いだなんて思われようと、これっぽっちも思ってないですし』
『おま……っ。ホンっト、可愛くねェ!』
『クスクスっ。まるで子供のケンカレベルね。てゆか、ワイルドタイガーの自業自得よねェ。まァ、精々麗しの後輩にコキ使われることね』
『うんうん、仲がイイことは良いことだよ。後は二人に任せることにしよう』
『ウフフ。素敵な夜を過ごしてね、お二人さん♪』
『な……っ』
『じゃあ、時間がもったいないですし。早く行きますよ、センパイ』
『オマエら、仲間を売るつもりか!?? こいつはウサギじゃねェ、悪魔だっ!??』
『だから、ウサギじゃないって何度も言っているじゃないですか』
『おめでとう。そして、おめでとう!』
『さよ〜なら〜♪』
『ハッピーバースデーよっ、バニーちゃん!』
『だから、ウサギじゃない……』
『あぁぁぁあああ!!? てめェら、全員覚えてろーっ!!』



 と、ヒーローTVの収録がすべて終わり、ブルーローズとファイヤーエンブレムとスカイハイの会話に虎徹が加わり、四人で軽く座談をしていたところに、都合悪くバーナビーが乱入してからの一部始終。
 見事ブルーローズに嵌められ(?)、バーナビーに首根っこ掴まれるようにこの高級マンションに連れてこられ、今に至るわけである。
ちなみにロックバイソンは……何故か犯人と間違われるという涙ぐましいウッカリに遭遇し、連行されていたらしい。
 報われないとは、正にこのことだろう……。
「だいたいなァ、オマエ毎日ハウスキーパー呼んで、掃除してもらってんだろ? 埃ひとつ見当たらねェくらい、ピッカピカにしてあるじゃねェか」
「毎日は呼んでないですよ。一日置きです」
「変わんねェっつーのっ!」
 ここはせめてもと、これ見よがしの嫌味だったつもりのに、テンで冷静な相棒には、すべてが不発弾で終わってしまうらしい。
 ツッ込んでいる自分が、まるでひとりで【ノリツッコミ】しているみたいで、どうも虚しくなってくる。
「こんなバカデカいマンションに一人で住んでいること自体、贅沢だっつーのに、その上ハウスキーパーなんざ、贅沢の極みじゃねェか……俺の部屋こそ、誰かに掃除してもらいたいっつーの……」
 ブツブツブツブツと、納得いかない思いを吐露。
 コッチはありきたりの賃貸マンションで、愛娘を母に預けての出稼ぎだというのに、今の若造は随分と贅沢者である。
 なのにこの男ときたら、
「あァ、オジサンの独り暮らしって、部屋汚そうですもんね」
「(怒)」
 容赦ない毒の吐きっぷりに、ピキリと額に青筋が浮かび上がったが、ここまで来たらもう我慢勝負である。
「っつーか、なんで俺が独り暮らしだとわかった」
「別に、初めてコンビ組むって事務所に知らされた時、素性が知れないのは嫌だったので、社長に聞いてみただけです。単身赴任だそうですね」
 チラリと、バーナビーの視線が左手の指輪に注がれたのを感じ、虎徹はポリポリと顎髭の辺りを掻きながら「まァな」と肩を竦めて見せる。
 しかし、
「まァ、あんな毀損を繰り返すような人じゃ、苦労も絶えないでしょうから、ちょうど良さそうですけどね」
「……オマエねェ……」
 先ほどから言っている気もするが、つくづく可愛げのない後輩だと実感する。
「しかしよォ……何でこのカッコなワケ?」
 そして『オマエ友達いないだろ?』と、いよいよ本気で心配に思えてくる、素直の欠片もない後輩が【ヘンタイ】じゃなかったのは、唯一の救いだったかもしれない。
「雰囲気が出るから」
「……さいですか……」
 フリフリのエプロンの裾を手に持ってヒラヒラさせながら問えば、至極真顔で微妙な答えが。
 でもまァ、
『イラッシャイマセ、ご主人様♪』 的な格好をさせられなかっただけでも、ヨシとするべきか。
 そんなカッコしようものなら、娘に合わす顔もなくなっていただろう。
 ……それ以前の問題で、そんな衣装を持っていたら、本気にこの男の素性を疑っていたが。
 このフリフリエプロンすら一瞬引いたくらいだったが、これは幼少期に世話をしてくれていた、サマンサという使用人が着用していたものだと答えたので、そこは安心した。
 しかしながら、この男の耳に入るわけもないと思って発した軽はずみな言葉で、よもやこんな家政夫的扱いを受けようとは思いもよらなかった。
 さすが、ウサギちゃんのお耳である。
 どんな言葉でも聞きつける……と言っても、ブッちゃけたのはブルーローズとファイヤーエンブレムだが、でもまァ……やっぱり、ウサギちゃんである(支離滅裂)。
「バニーちゃんの大きなお耳は、地獄耳ってか〜」
「何か、言いました?」
「いえっ、なーんにも言っておりませんっ」
 いつの間にか背後に潜んでいたバーナビーにツッ込まれ、虎徹は慌ててピシッと姿勢を正しながら、ちゃきちゃきとモップをフロアに滑らせる。
(やっぱ地獄耳じゃねェか)
(っつーか、こんな時まで気配消して、後ろ取ってんじゃねェよ。ったく……)
ブツブツぼやけば、
「言いたいことがあるなら、ちゃんと言葉にして言ってください。子供じゃないんですから」
「……オマエねェ……何でそうまでして、上から目線になれるワケ?」
 容赦ない言われように、さすがの虎徹も呆れ気味な視線を送り、ハァとひとつ盛大なため息を漏らす。
 思い返すと、この男と初めて出逢った時も、全くの気配を感じることなく助けられてしまった。
 ハンドレッドパワーが発動できるタイムリミット5分が経過してしまい、地面へ真っ逆さまというピンチを、同じヒーローに助けられてしまった無情の現実。
 しかも、屈辱のお姫様抱っこで……。
 出逢いがこんなだったから、どうも【借り】と【弱み】を握られているような気がしてならない。
 例えこの男に、そういった裏がなかったとしても―――
 何となく、わかる気がするのだ。

『アナタのお陰で、人生の三分を無駄にしました』

 そんな風に嫌味を口にしても、それをいつまでも根に持つことはない男だと……。
「オマエの口の悪さは、生まれつきなんだろうよ」
「……何かまた、言いました?」
「いいえ〜。次はどこをお片付けいたしましょうか?【ご主人様】」
 コイツの捻くれた性格は、照れ隠しの一種のようなもので、【本当の自分】を隠す為なんじゃないだろうか……。

 と、心の内に相棒への愛情を覗かせた矢先、虎徹は自分の言葉を果てしなく後悔することとなるのだった。

「そうですね……しっかり掃除されたのかっていったら、イマイチ変わっていない気もしますが、現在【独り身】のオジサンにレベルを求めるワケにはいかないですし、ここはコレでヨシとしますか」
「……あのなァ……そう思うなら、なんで俺にこんなことさせるワケ?」


「そんなの、決まってるじゃないですか。センパイが僕の為に一生懸命働いている姿を見ると、気分がイイからですよ――」


 前言撤回!!
 やっぱりコイツは、性格最低の男だ!!



*続きは本文にて…*

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