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12/29 C83新刊【兎×虎】I wish... R18

12/29 C83の新刊情報その2です!

I wish...
兎虎/R18/2012.12.29/P44/87g/ノベルティ付/¥400

*表紙*
iwish_hyoshi.jpg
Illustration by ノイ様

「子供のころにバニーちゃんに逢ってみたかった」と語った直後、夢を具現化させるネクスト能力で子供になってしまった虎徹。大人の記憶もなくし完全な子供になった虎徹を可愛いと思いながらも、やはり早く戻って欲しいと葛藤するバーナビーの一日を綴ったお話です。※言葉表記ですが村兄ちゃんが大好きな子徹です。

実は眼鏡帽子屋的初の英文字タイトルのオフ本だったりします。
表紙は再録集同様、ノイさんが手掛けてくださいました! ホントにホントにありがとうございました!!

ノベルティは、財布にも入る表紙柄2013年上半期カレンダーですσ(゚ー^*)


▽サンプル






【作中部分】




「かあちゃん……?」
「あ、虎徹さん。おはようございます」
「え……あ……お兄ちゃん……誰?」
「!??」

 昨日は、精神的にも疲れていたのかもしれない。
 二十一時を過ぎれば、ウトウト船をこぎ始めた虎徹と共にベッドに入り消灯すると、虎徹はあっと言う間に眠りに落ちてしまった。
 いつもと同じベッドなのに、やけにベッドが広く感じてしまう……そんな風に思いながら、小さな寝息を立てて眠る虎徹の寝顔を眺めていると、気付けばバーナビーも虎徹を腕に抱き留めたまま眠りに落ちていて。
 ハッとし目覚めれば、朝の六時を回っていたので、そっと抜け出して虎徹のカラダをそのままに起床。
 朝食や簡単な料理くらいは自分で作れるように成長していたバーナビーが、虎徹のためにフレンチトーストを作っていることしばらくすると、今の状況に行き着いたワケである。
 声を掛けられ普通に返事をしたけれど、思い返してみる。
 虎徹のバーナビーに対する呼びかけは、『バニーちゃん』ではなく『かあちゃん』だった。
 ひどい違和感に、バーナビーは慌てて振り返り、虎徹の顔を見やった。
 大きな瞳に涙の膜を張った、不安そうな虎徹の表情。
「虎徹さん……?」
 禍々しく眉間にシワを寄せたバーナビーに、極めつけとなる虎徹の怯えたような言葉。
「お兄ちゃん……誰? 村兄ちゃんのお友達なの……?」
 どうやら、勘違いをしているようだ。
 虎徹の年齢を考えると、恐らく村正は中学年くらいで、今のバーナビーの方が断然年上なのだろうが、このくらいの歳の子供から見れば、中学年も二十代半ばも、大して変わらないのかもしれない。
 オリエンタルタウンから出たことのない子供が、シュテルンビルトという都会に一人取り残され、怖いと思わない方がおかしいだろう。
「そうですね……村正さんは今日、研修でシュテルンビルトまできたんですけど、虎徹さ……虎徹クンがどうしても村正さんと一緒にシュテルンビルトに来たいって言うから、村正さんが研修を受けている間、虎徹クンのことを面倒見て欲しいって……昨日あなたを僕の所に連れてきて、村正さんは朝早いからってホテルに泊まったんです。覚えていますか?」
「そっか……そうなのか……じゃあ、きっとそうなんだね! 〝けんしゅう〟って、村兄ちゃん何してるの?」
 我ながら、適当な言葉がスラスラと口から滑り落ちたものだと自分自身に感心しつつ、虎徹の方と言えばバーナビーの言葉を信用したようだ。
 村正と知り合いだと言うことを知って、緊張していた心がどうやら落ち着いたらしい。先ほどからずっと不安そうに歪められていたその表情に、ようやく笑みが浮かんだ。
「虎徹、クン……」
 ニッとはにかんだその表情が可愛くて、思わずドキリと心臓を跳ね上げてしまい、バーナビーは慌てて胸中盛大に首を左右に振り乱した。
 いくら中身は虎徹だからって、何を小学生相手にときめいているのだろうかと、一歩間違えれば危な過ぎる自分の思考が恐ろしくなってしまった。
「虎徹クン。ちょうど朝食が出来たんですけど食べますか?」
「……うんっ!」
 自分の動揺をごまかすように話を逸らせば、緊張が解けた虎徹のお腹が返事をしたかのようにグ〜と大きく鳴って。
 両手で抑えて自分のお腹をジッと見つめた虎徹は、バーナビーに視線を向けるとにぱっと満面の笑みを浮かべて、元気良く頷いてみせるのだった。
「……じゃあ、まずは顔を洗ってきてください。こっちです、虎徹クン」
 虎徹の人見知りしない活発な性格は、子供の頃から既に形成されていたのだろうと知る。
 この笑顔は、癒されると思った。
 虎徹の傍まで歩み寄り手を差し出せば、バーナビーの顔と手を交互に見つめ、
「俺、手ェ繋がれるほどコドモじゃないよ」
 なんて言いながらもバーナビーの手を小さな手で握り返してくるのだから、何だか愛しくてたまらない。
「お兄ちゃん、なんて名前なの?」
「僕は、バーナビーです」
「バーナビーか……バーナビー兄ちゃんは、村兄ちゃんとどこで知り合ったの?」
「え……と……クラブ活動で……ライバル同士なんですよ」
「へェ、じゃあバーナビー兄ちゃんも剣道してるんだ」
「え、あ……そう。そうなんです。はい、ここが洗面台です。今、新しい歯ブラシ出しますね」
 矢継ぎ早の質問に、これ以上話をしていたらボロが出てしまうかもしれないと思っていたところでちょうど洗面所に到着したので、どこに何があるのかを一つ一つ虎徹に教えていった。
「バーナビー兄ちゃん、歯ブラシ二本置いてあるよ? デッカイのと、普通の歯ブラシ……お兄ちゃん、誰かと一緒に住んでるの?」
「あ……」
 馴れてきて調子が上がってきたのか、小学生のクセに随分とマセた質問をしてくる。
 虎徹の言うデッカイ歯ブラシはバーナビーの電動歯ブラシで、もう一つの普通の歯ブラシは、もちろん〝大人の虎徹〟が普段使用しているものだ。
 実は虎徹の歯ブラシなんだよ、なんて説明したところで、今の虎徹にはチンプンカンプンだろうから、当たり障りなく答えておいた。
「えっと……僕にも虎徹クンのように〝兄〟がいるんですけど、その兄が泊まっていったときに使うんです」
「ふーん……」
 さすがに〝恋人〟という言葉は使えなかった。
 バーナビーの言葉を、信じたのか信じていないのか……随分と曖昧な受け答えだけれど、ここはひとまず放っておいて、換え置きの歯ブラシを用意してあげる。
 虎徹が顔を洗っている間に、準備していた朝食を並べていると、随分と早く虎徹がリビングに戻ってきた。
「ちょっと、早すぎない? ちゃんと顔洗ってきたんですか?」
 訝しく眉間にシワを寄せれば、
「洗ったよ! ジャッパジャパに。歯は食べてから磨くっ。わァ、美味しそう! 早く食べたいっ」
 うんしょ、とリビングのカウンターにセットされた高めのダイニングチェアによじ登り、テーブルに並べられた朝食を目に写すと、爛々と大きな瞳を輝かせ、バーナビーを急かす虎徹。
 フレンチトーストに、レタスとトマトの生野菜。
 缶詰めだけれど、フルーツにヨーグルトを掛けてミルクを並べれば、単純な朝食でも子供は喜ぶのかもしれない。
 普段の虎徹からは『美味しそう』だなんて言葉は、聞きたくても聞き出せない言葉だろう。
 そう考えると、ジーンと感動が押し寄せてくる。
 子虎徹に、大人虎徹に対するときとはまた違った愛しさがこみ上げていて、ギュッと抱きしめたい衝動に駆られたが、ここはなんとか辛抱する。
 変態扱いされて警戒でもされたら、後々面倒である。
「大したもんじゃないですけど……どうぞ、召し上がってください」
「いただいまーす♪」
 待ちきれないとばかりに手を合わせて合唱し、早速フレンチトーストにかぶりつく虎徹。
「んんーっ。甘くて美味しいよ、お兄ちゃん。かあちゃんが作る朝ご飯は、絶対に白いご飯と味噌汁だから、こういう朝ご飯に憧れてたんだ。なんか、オシャレさんになったみたいだっ」
「喜んでもらえて、嬉しいです」
 ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ……。
(ちょっと可愛すぎるんですけどっ。チビ虎徹さん!!)
 脳内〝ヤバイ〟という言葉に埋め尽くされてしまう。
 素直すぎる虎徹の反応があまりにも可愛すぎて、可愛すぎて……。
「あ、ホットミルクだ♪」
「〜〜〜っ!」
 と、ほんのり湯気が踊っている、耐熱グラスに注がれたミルクにも好反応を見せる虎徹が、両手でグラスを持って、目を寄せながらゴクゴクと喉を鳴らすその姿に、バーナビーはもうノックアウト寸前だ。
(ヤバすぎます、虎徹さん……あなた、こんなに可愛かったんですか? 閉じ込めて、食べつくしてしまいたい可愛さなんですけど……!)
 既に、物騒な考えしか思い浮かばなくなっているバーナビーである。
「バーナビー兄ちゃんは、食べないの?」
「もっと食べたいですか?」
「……この、甘い食パンが美味しいな〜」
「良いですよ。僕はヨーグルトとコーヒーで十分ですから、僕の分も食べてしまって」
 虎徹に『バーナビー兄ちゃん』って呼ばれるのも、なんだか新鮮で良いな〜なんてデレデレしながら、自分の目の前に置いていたフレンチトーストの皿をついと虎徹の目の前に差し出す。
 虎徹は一瞬嬉しそうに瞳を輝かせたのだが、しかしその表情はすぐに複雑そうに影を落としてしまった。
 どうしたのかと訪ねれば、
「ちゃんと朝ご飯食べないと……お兄ちゃんの元気が出なくなっちゃうよ?」
 どうやら、バーナビーの心配をしていたらしい。
 なんだか、普段の虎徹を思い出してバーナビーは思わず笑みがこぼれた。
 もともとバーナビーは、朝ご飯を食べない派だった。
 それを、
「パン一つでも良いから、朝ご飯はちゃんと食べておけ。いざってときに、パワーが出ねェだろ?」
 と、小姑のような小言を毎日のように唱えて、バーナビーに朝食を食べさせるようにしたのが、虎徹なのだ。
 母、安寿の教育からなのか……こんな小さなときから、既に小姑虎徹は出来上がっていたようだ。
 おかげさまで、朝はコーヒーがあれば十分だったバーナビーも、しっかり朝食を取るようになった。
「僕は大丈夫ですよ。もしお腹が空いたら他のものを食べれば良いですし……それよりも、僕が虎徹クンに食べて欲しいんです。美味しいって言ってもらえて、すごく嬉しかったんですから。虎徹クン」
「……じゃあ、ホントに食べちゃうよ」
「えェ、どうぞ」
「ヤッターっ! いただいまーす!」
 恐る恐ると確認してくる虎徹に力強く頷いてあげれば、今度こそ満面の笑みを浮かべて、もしゃもしゃとフレンチトーストを頬張る虎徹。
 こうしてずっと見ていたいな〜と、思う。
 今日も一日、会社に行かず子虎徹と二人きりで過ごしていても赦されるだろうか……そんなことをぼんやりと思い、虎徹を眺めていると、ジッとこちらを見つめている虎徹と目が合い、バーナビーはハッと我に返った。
「どうしました?」
「え……お兄ちゃんは、学校とか行かなくていいの?」
 バーナビーが心配に思っていたことが伝わってしまったのか、そっくり質問で返されてしまった。
「あ……今、学校がお休みなんです。だから、心配しなくても大丈夫ですよ」
「……そっか。じゃあ、ずっと一緒にいれるね!」
 嬉しそうに表情を綻ばせる虎徹に、
「僕と一緒にいられて、嬉しいですか?」
「うん。だって、バーナビー兄ちゃんといると、楽しいもん」 問えば、また嬉しい返答。
 これは何が何でも、ロイズから休みをもぎ取らなければ行けない……と、バーナビーは心に決意をいだくのだった。
「僕も……虎徹クンと一緒にいると、とても楽しいですよ。今日一日何をして過ごすか、この後作戦会議しなくちゃですね」
「うんっ」
 作戦会議と言われ、テンションが上がったらしい虎徹を見つめながら……。

 虎徹は、ちゃんと元の姿に戻ってくれるのだろうか……。

 あまりにも馴染み過ぎていく子供の虎徹に、一抹の不安が脳内に強くよぎっていたことを、バーナビーは虎徹に悟られないように笑みを浮かべながら、懸命に平静を装っていた。
 アポロンメディアの情報模を駆使すれば、きっとあの占い師はすぐに見つかってくれる。
 そうすれば、虎徹の姿も元に……。
 それまで自分の役割は、ただ虎徹の傍にいて不安を与えないようにすることだ。
「虎徹さん……」
「……バーナビー兄ちゃん? どうかしたの?」
「あ、いえ……今日は何しようかって思って……」
「俺、シュテルンビルト初めだから、色んなとこに連れてってよ!」
「わかりました。そうだな……虎徹クン。オリエンタルタウンに遊園地ってありますか?」
「ないっ! 遊園地行きたい!!」
「よし、じゃあ決定」
「わーいっ。メッチャ楽しみーっ!」
「…………」
 遊園地。虎徹が初めてバーナビーを〝信じてくれた場所〟。
 あのときの自分は、ウロボロスのことしか考えていなくて、信じられるものは自分しかいなかった。
 虎徹のように正義感を振りかざすタイプが大嫌いで、虎徹の存在を否定していた。
『僕は、あなたを信用していません』
 虎徹の目の前ではっきり突きつけたのに、虎徹はバーナビーのことを信じてみようと……後になって斎藤に教えられた。
 きっと、バーナビーが虎徹のことを少しずつ意識するようになっていったのは、これが原因だったように思うのだ。
 それをすべて忘れてしまっている虎徹。
 無邪気な笑顔が、今のバーナビーには少し残酷に思えてしまった。
 今まで生きてきた人生の中で、虎徹との付き合いはまだまだ短い。
 ようやく両親と過ごした日々と同じになった。
 それでも、バーナビーにとっては両親と過ごした日々と同じくらい、虎徹との過ごした日々は大切なものになっている。
 これから、もっともっと虎徹と過ごす日々は積み重ねられていく。
 バーナビーにとっての大切な日々が、積み重ねられていく。
 二人にとって、今までがあるからこれからがある。
 それが、バーナビーにとっては幸せで、楽しみで仕方がないのに……。

 心の奥底にいるんですよね? 虎徹さん……。
 すべてを忘れてしまって、あなたはそれで構わないんですか?
 ねェ、虎徹さん……。



〔続きは本誌にて・・・〕

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