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10/28 GO NEXT!4新刊【兎虎】DTバニーとSJおじさんの初めての×××

10/28 GO NEXT!4の新刊情報です。

DTバニーとSJおじさんの初めての×××
兎虎/R18/2012.10.28/P44/85g/¥400

*表紙*
dtxsj.jpg
Illustration by leo様

言わずもがな、童貞バニーと処女おじさんが初めてえっちをするお話です!
落ち着いた展開もあり、ポップな展開もあり……な感じで、初めてのバニーの一人称で展開していきますwww

表紙はleoさんが手掛けてくださいました! ありがとうございましたー><


▽サンプル


〔作中より〕




「最近、良いことでもあったの?」
「え……?」
 筋トレマシーンを無心で動かしていると、突然サイドから声を掛けられ、僕はハッと我に返り声の矛先を見上げた。
「なんだかとっても嬉しそうな表情で、一点を見つめていたわよ、ハンサム。自分で気付いていないのかしら?」
 僕の隣りにいつの間にか立っていて、様子を伺うように覗き込んでいたのは、ファイヤーエンブレムさんだった。
 いつものように飄々とした態度だけれど、その表情はどこか楽しそうだ。
「ファイヤーエンブレムさん……一点……ですか?」
「そっ。それはもう熱い熱い眼差し……私に気付かないくらいだもの、自覚がないほど熱心に見つめていたってことよね」
「…………」
 言われるまで気付かなかった。
言われてみればそうかもしれないと思いながら、先ほどまでの自分の視線の矛先に再び目を向ける。
 そこに何があるのか、たしかめなくてもわかっている。
 無意識ではあったけど、自分が一体何を見つめていたのかくらいは、認識できる。
「タイガーでしょ? あんたが熱心に見つめているのは……」
 そう。虎徹さんだ。
 センターの階段付近で、ロックバイソンさん、スカイハイさんとトレーニングそっちのけで、賑やかに談話している虎徹さんの姿である。
 ロックバイソンさんに首をホールドされたり、スカイハイさんに突っ込みを入れたりしながら、本当に楽しそうに声を出して笑っている虎徹さんの姿を、僕はずっと見つめていたのだ。
 楽しそうに笑う虎徹さんの姿を見ていると、こっちまで楽しくなってくる感じで……。
 もしかしたら自分の口元がかなり弛んでいたかもしれない、と思うと急激に恥ずかしくなってきてしまい、僕は「かもしれないです」と誤魔化しながら、トレーニングを再開する。
 すべてを見透かしたように、フ~ンと笑みを浮かべるファイヤーエンブレムさんに、誤魔化しは通用しないようだ。
 居心地の悪さを感じながらも、再び虎徹さんの方に視線を向ければ、いつの間にかそこには折紙先輩もいて。
「タイガーって本当に不思議よね。気付くと人を寄せ集めているわ。たまに苛立たせられるときもあるけれど、ハートが熱いのかしら……気付くと感化されちゃっているのよねェ」
「……そうですね……」
 そう言って肩を竦めてみせるファイヤーエンブレムさんに、僕も心底同感を覚え頷き、やはり虎徹さんを見つめた。
 笑ったり、おどけたり、顰めっ面してみせたり、変顔してみせたり……僕と違い表情豊かな虎徹さんは、見ているだけで心が満たされる。
 これだから、虎徹さんと一緒にいると楽しいし、虎徹さんの周囲には、常に人がいるのだと思う。
「……あなたからそんな言葉が聞けるだなんて、ちょっと意外だわ……」
「え……そうですか?」
 まるで母親にでもなったかのような面もちで話すファイヤーエンブレムさんに、やはり僕は首を傾げて見せたけれど、なんとなくファイヤーエンブレムさんの言いたいことがわかるような気がした。
『僕は、あなたを信用してません』
 虎徹さんと出逢ったばかりの当時、周囲を見ようとしなかった僕は、虎徹さんに対して幾度となくひどい対応をしてきたのだから。
 よほど、周囲に『この二人は、本当にコンビとしてやっていけるのだろうか?』と思わせたことだろう。
 それでも、僕は変わろうとした。彼を信じてみようと、僕なりに変わろうとした。
 折紙先輩がジェイクのアジトに潜入したとき……今思えば、虎徹さんの心配性はもはや保護者のそれに近いもので、あのときの僕はたしかに、加速するジェイク=ウロボロスの真相に気持ちが昂揚していた。
 だからお人好しの彼の心配性が過剰に反応し、僕が暴走してしまわないように見守ろうとした結果だった。
 それでも、虎徹さんの行動は僕を信用していなかったことに繋がる。
『あなたを信じてみようと思ったのに! やはり、あなたは信用できません』
 僕が虎徹さんに向けたあの言葉は、ヒドイものだったのだろうか……。
 でも、その言葉がきっと僕たちを変えた。
 虎徹さんを変え、そして僕を変えた。
 更に、
『俺は、お前が俺を信じてくれるって信じていたから……』
 虎徹さんのその言葉が、本当の意味で僕たちを〝バディ〟にしてくれたのだ。
「タイガーは不器用なところがあるけれど、ヒーローとしての熱い気持ちはきっと一番だわ。どうしても苦難の人を助けようと体が動いてしまうのは、もはやタイガーのヒーローとしての条件反射だわ。きっと、あの時も……」
「……わかります。あのときは、本気で煮え切らない思いがこみ上げたけれど、今ならわかります。虎徹さんのことが……虎徹さんが、ハンドレッドパワーが切れても尚ジェイクの攻撃をその身に受け、自分を犠牲にしながらジェイクの弱点を必死に探ろうとしていたのは、バディである僕に、ジェイク戦を託そうとしてしたことだった。彼がいたからこそ、僕はジェイクを倒すことができた。僕はやっと、虎徹さんのことをバディとして、心から信じることができようになったんです」
 笑い声をあげている彼の姿を見ながら、虎徹さんへの思いを語る僕の姿を見て、ファイヤーエンブレムさんは何を思ったのだろう……。
「恋、よねェ……」
「え……?」
 聞き慣れないことばが耳に届き、僕は再び聞き返した。
 もしかしたらファイヤーエンブレムさんは、動揺する僕の姿を予想していたのかもしれない。
 意味深そうな笑みを口元に浮かべるファイヤーエンブレムさんの言葉を、キョトンと目を丸くしながら聞く。
「まるで、好きな女の子を遠くから見つめる男の子のような熱い眼差しで、タイガーを見つめているわ。その表情、〝恋〟そのものよね……と、思ったんだけど……」
「恋……ですか……?」
 なんだか、目にウロコのような気がした。
 そんな感覚、今まで経験したことがなかったから、全く意識をしていなかったけれど、言われてみるとそんな感覚なのかもしれないと、思い改める。
 人を〝好き〟になるという感覚は、こういうものなのだと。
「あら、力一杯否定してくるかと思ったのに、なんだか意外だわね……面白くないわ……」
 悩める男子を囃し立てたかったのか、『面白くない』は本心だっただろう。
 眉間にシワを寄せてみせる、ファイヤーエンブレムさん。
 でも、僕ですら自分自身が意外に思えてしまうのだから、仕方がない。
「僕、これまで恋というもの自体を経験したことがなかったから、全然気にしたことがなかったのですが、言われてみるとそんな気がしてきました……僕、今本当に虎徹さんと一緒にいることが楽しいんです。虎徹さんと一緒にいると、胸が熱くなってくるし、ずっとずっと一緒にいたいと思えるんです。それってやっぱり、〝恋〟なんでしょうか?」
「……ホントに意外だわね……あなた、否定するどころか受け入れちゃったわ……言わなくてもわかるかと思うけれど、タイガー男よ?」
 眉間にシワを寄せ、ズイと顔を寄せてくるファイヤーエンブレムさんに、目をパチパチと瞬かせながら、何を当たり前のことを……と無言で言葉にする。
「彼が実は女性だった、なんて言ったら、衝撃を飛び越えてしまいますよ」
 思わず眉間にシワを寄せながら呟けば、
「あらやだ。ハンサムって、そんな冗談が言えるようになったのね」
 と、目を丸くして言われてしまった。
 別に、冗談ではないのに……と思ったけれど、とりあえずそれは口にしなかった。
「私が言いたいのは、『男が男を好きになったの?』って言われたら、普通であれば真っ先に否定するところよ、ってこと」
「あァ、そういうことですか」
 今の説明でようやく納得すると、まったくこの子は……と言わんばかりにため息を吐かれてしまった。
「無条件で、異性を好きにならなければならないことが人間の摂理だなんて、僕どこか違うように思うんです。人を好きになるって、その人そのものを好きになるのであって、異性だから好きになるわけではないですから……今、まさにそんな気持ちなんです。僕はただ、虎徹さんとずっと一緒にいたいと思う。その気持ちが好きという気持ちと言うのであれば、僕はやっぱり虎徹さんのことが好きなんです。今僕は、虎徹さんのことが愛しくて、愛しくて仕方がないんです―――」
 虎徹さんの姿をまっすぐと見つめ、今抱えている気持ちのありのままを言葉にすれば、ヒュウと軽快な口笛が耳に届いた。
「やるわね、ハンサム……その堂々とした発言まで、ハンサムだわ。もう惚れちゃいそう」
「惚れられてしまっても、困りますが……」
「フフフ。安心なさい。私にはちゃんと本命がいるから……」
「え……?」
「タイガーも幸せ者よね。ヒーロー界一番の人気を誇るハンサムに、ここまで想われているんだから……」
 ファイヤーエンブレムさんの何気ない言葉に、興味を示した僕だったけど、見事にはぐらかされてしまった。
「でも、あれきっと、まったく気付いちゃいないわよね……自分のことになると、まったく鈍くさくなるっていうか……なんだか報われないわ、ハンサム……」
「良いんです。突然僕に『好きです』だなんて告白されても、それこそストレートでご結婚までされていた虎徹さんは、困ってしまうじゃないですか。迷惑をかけてしまうだけですから……今の関係でも、僕は十分に幸せです」
「……ほんと、いちいちハンサムよね、あんたって……でもね……そんな風に割り切れなくなっていくのが、〝恋愛〟ってものなのよ」
 感心したような感嘆のため息を漏らした直後、また何か企んだような意味深の微笑を浮かべるファイヤーエンブレムさん。
 それを僕は、まんまと見逃してしまったのがそもそもの始まりだった。
「ねェ? ハンサム……タイガーと、キスしてみたいと思う? ディープで、濃厚なチュー……」
「え……?」
 まったく予期していなかった質問に、僕は反射的に虎徹さんとのキスシーンを脳内に思い浮かべてみた。
 ディープって言ったら、舌を絡めるキスだ。
 未だ経験のない僕にだって、そのくらいのことはわかる。

『ンッ……バニーちゃん……』

 男性同士のキスシーンなんて当然見たことがないから、映画なんかで見かけるキスシーンの女性を、虎徹さんに置き換えてみる。

『ンンッ、ふ……ぁっ』

 僕の首に腕を回して、いじらしく首の角度を変えては、甘い吐息を零す虎徹さん……と、想像してみたが、

(……ないな。虎徹さんに限って、そんな素直な反応みせてくれるハズがない)

 どちらかと言うと、

『バカッ。なんで、おまえとキスなんてしなきゃ……っ、ぁっ、ンンッ……!』

 慌てふためく虎徹さんのあの細い腰を完全にホールドし、押し退けようとする虎徹さんに強引にキス、なんて姿の方がしっくりくる。
 始めは嫌がっていても、次第にその気になってくれる虎徹さんの方が、こっちも燃え上がってくるハズだ。
 そう。あの、強く抱きしめたら折れてしまいそうな虎徹さんの腰を、強く、強く、抱きしめて……。
「……したいですね。キス……虎徹さんの戸惑う姿が、見てみたいです……」
 発言が既に、断られるだなんて微塵も思っていない、受け入れてもらえること間違いなしになっている。
(虎徹さんが、僕のことを断るハズがない……)
 根拠のない自信に、胸中目一杯胸を張っていたそのとき、
「バニーちゃんとネイサンの2ショットなんて、めずらしいな……」
「っ―――!!」
 目の前から突然聞き慣れた声が届き、僕はあからさまに体を跳ね上げ、見上げた。
 言わずもがな、目の前にはいつの間に移動していたのか、虎徹さんの姿が。
 全然気付けなかったくらい、妄想に花を咲かせていたのかと思うと、自分が急激に恥ずかしくなってきて、僕はごまかすようにサッと立ち上がった。
 ファイヤーエンブレムさんに八つ当たりでもしてやりたい気持ちが沸々と沸き起こったけれど、それはスマートな僕のすることではないから、なんとか我慢してみた。
 チラリとファイヤーエンブレムさんに視線を送れば、私は知らないわよ、とでも言うように肩を竦めてみせている。
「もう終わったんですか? 虎徹さん」
「おぉっ。そろそろ帰ろうぜ、バニーちゃん♪」
「そろそろって、今日も虎徹さんはお話に夢中で何もしていなかったように思うんですが……」
「そんなことねェよ。バニーちゃんの見えないところで、ちゃんとトレーニングに励んでいたぜ?」
「……信憑性、全くのゼロですね……」
「む。相変わらずヒデェこと言うよな、バニーちゃんは……」
「そんな事ありませんよ。事実を言っただけです。でもまァ、あなたが帰りたいと言うのであれば、帰りましょう。あれ、もう5時すぎてるんですね。一度会社に戻りますか?」
「いや……ロイズさんに見つかったから、何をどやされるかわかんないからな。今日はまっすぐ帰ろうぜ」
「そんなこと言っても、ロイズさんだいぶ虎徹さんに対して丸くなったじゃないですか。期待している証拠ですよ」
「それはヒーロー・ワイルドタイガーとしてであって、サラリーマン鏑木虎徹に対しては、また違ってくるだろォ? 書類、貯めちゃってるし。俺……」
「あァ……それはたしかにあなたがいけないですね。コツコツこなしていけば、書類なんて貯めることないのに……」
「そのコツコツが、苦手なんじゃねェか……」
 と、ファイヤーエンブレムさんそっちの気で会話をし、虎徹さんの腰にそっと腕を回して歩き出す僕に、気にしていないらしい虎徹さんも、僕につられて当たり前のように歩き出す。
 これがファイヤーエンブレムではなく、ブルーローズ相手にすると、
『ちょ、なに無視してんのよ!』
 と、目くじら立てるに違いない。
「お疲れさまっ。タイガー、ハンサム」
「おォっ、ネイサンお疲れさんっ。また明日な!」
 背後からの労いに、振り返った虎徹さんが笑みを浮かべながら手を振り、挨拶に応える。
 そんな姿を真横で眺め、
(なんだか、可愛いなァ。虎徹さん)
 と胸中ニマニマしながらも、あくまでそれは表に出さず、ファイヤーエンブレムさんに軽く会釈して、僕は虎徹さんの腰に腕を回したままその場を去っていった。
「……あのコ、さも当たり前のようにタイガーの腰抱いちゃって……どうやら真性のタラシのようね……てゆか、あれを自然と受け入れてしまうタイガーも天然だわ……。
でもハンサム、あのドストレートのタイガーをしっかり〝攻略〟出来るのかしら……あの話っぷりじゃあ、ハンサム童貞ッポイし……ここは、私がサポートしてあげないと、二人揃って痛い目を見てしまいそうだわ……」
 そんな風に、ファイヤーエンブレムさんに心配されていたことにも気付かずに―――



***



『今日は、俺がバニーちゃんの背中流してやる!』

「……やっぱ……一緒にお風呂に入るって……そういうことだよな……」

 普段に比べて、そんなにハイペースで飲んでいるようには見えなかったけれど、気分が良かったのかイイ感じに酔っている感じではあった虎徹さんの口から飛び出した、爆弾発言。
 勢い任せに理由はつけていたものの、どうしても〝あのキッカケ〟を作っているようにしか思えない。
 回りくどいことが好きな虎徹さんのことだから、尚更だ。

『えっと……本当の誕生日プレゼントは……俺、なんだ……』

 というベタな展開を、大いに期待してしまう。
 頭から温めのシャワー被りながら、僕は自分の下半身を見つめた。
 しっかりと頭を擡げた性器。
 どれだけ期待しているのか、我ながら若さを持て余した元気なジュニアである。
 こんな姿を見られ、もしも僕の勘違いだとしたら……虎徹さんに軽蔑されてしまうだろう。
 それ以前に、自分のジュニアを見たら、虎徹さんは驚いてしまうかもしれない。
 他人と比べるものではないけれど、多分これはビッグサイズなんだろうと……自分でも思う。
 引かれたりでもしたら……さすがに凹みそうだ。
「やっぱ……鎮めよう……」
 虎徹さんが入ってくる前にヌいて鎮めてしまおうと、元気に脈打つペニスに触れようとしたそのとき、
「おじゃましまーす!」
「っ!!」
 お決まりといわんばかりのタイミングで虎徹さんが登場し、僕はビクリと体を跳ね上げ、振り返った。
「虎徹さ……っ」
 まさに、ベタすぎる展開。
 思わず反射的に股間を腕で隠してしまったのは、しまったと思った。
 の、だけれど、目に飛び込んできた虎徹さんは、めずらしく高めの位置で黒髪を一つに結い上げていて、見慣れない虎徹さんの容貌に、僕は思わずぽんやりと見惚れてしまった。
 着物にアップという風習があるからか、やはり黒髪を結い上げるのは艶っぽさというか、色気が増すのだと実感する。
 所々ほつれ毛があるあたりが、更に色香を醸し出すので堪らない。
 咄嗟に隠した股間が、心臓にでもなったかのようにドキドキして、ちょっとヤバイかも……なんて思った矢先……。
「ちょっとちょっと、バニーちゃん。慌ててちんぽこ隠すなんて、毛が生えたばかりの中学生みたいなことするんだなっ」
「ちん……」
 ぽこって、なんだそれ! と、せっかくのお色気虎徹さん台無しの下世話なスラングに、一瞬にして素面に戻ってしまった。
「ヨシヨシッ。早速背中流してやっから、まずコレに座れよ」
「え?」
 そして僕に、ツッ込みさえもさせてくれない話題転換。
 なんだか、ワザとはぐらかされたような気がした。
 虎徹さんの視線が、一瞬僕のあの部分で止まったことを、僕は見逃さなかったから……。
 こんな風にはぐらかされたということは、やっぱり虎徹さんにその〝意思〟がないということだ。
 血迷わなくて良かったと思いながらも、正直虚しい気持ちがこみ上げる。
 虎徹さんがまだ、僕とカラダを繋げる覚悟が出来ていない現実を、知らしめられたのだから……。
 僕は虎徹さんに進められるまま、椅子のようなものに腰をおろした。
「これは……〝ジャパニーズ〟の習慣ですか? 入浴中に腰を掛けるのって……」
 虎徹さんにその気がないのなら、僕も完全に話をそらすまでだ。
「ん? 昔ながらってやつだろうな。昔はシャワーがなくて、桶で湯船の湯を掬ってたから……疲れないし、足を洗うときも楽だし、シャワー使っても泡が飛び散らないから衛生的だし、結構良いんだぜ? といっても、俺も普段はシャワーを浴びるだけだから、全然使わねェんだけどな」
「へェ……あなたの口から『衛生的』なんて言葉を聞くの、意外です」
「アハハッ。そうかもなァ。よし。まず髪から洗ってくぜ?」
「あ、はい」
 和やかなムード。
 このままでイイ。このまま、何事もなく終わらせよう。
 話が逸れて股間の熱も鎮まってきたから、この分なら大丈夫だろう。
 以前虎徹さんに話を聞いたことがあるが、虎徹さんの故郷には、温泉や銭湯という施設があり、大勢で大浴場に入ることがメジャーだというから、育った環境からもこうして他人と入浴することが楽しいのだろう。
 とても気分の良さそうな虎徹さんを見ていると、僕の方まで気持ちが浮いてくる。
 だから、僕はまたもや油断をしてしまったのだ。
 髪の毛を洗い終えて、僕の髪の毛も髪留め用のゴムで後ろに結い上げ、今度は背中を洗ってくれる虎徹さん。
「ありがとうございます、虎徹さん。前は自分で……」
 と、虎徹さんが手にしたスポンジを受け取ろうとしたそのとき……。
 まさか、こんなタイミングで虎徹さんが豹変するだなんて、僕は夢にも思わなかったのだ。
「―――っ!!」
「バニーちゃん……」
 不意に虎徹さんの両腕が僕の目の前に見えたかと思えば、背に触れてきたのは、濡れた肌で……。
 それは虎徹さんの胸であり、後ろから抱きしめられていることに、僕の思考はしばらく理解することができなかった。
「バニーちゃん……今まで我慢させて、ゴメンな……俺、〝覚悟〟決めたから……」
「え、あ……こ、てつさ……っ」
 ギュッと虎徹さんの腕に力がこもり、強く抱き寄せられ……ドクドクとけたましく早鐘を打ち鳴らす僕の胸の鼓動は、間違いなく虎徹さんの腕に伝わっていると思った。
 けれど、それ以上に……僕の背に伝わる虎徹さんの胸の鼓動が、トッ、トッ、トッ、トッ、と高鳴っていて……。
「バニーちゃん……」
 虎徹さんの甘く低い声が、少しだけ震えていて……虎徹さんが今どんな気持ちでいるのか、強く伝わってくる。
「バニーちゃんの誕生日にって……俺、ずっと決めてたんだ」
「っ……」
 虎徹さんの声が……僕は密かに大好きだ。
 この低くて、ときに堪らなく扇情的なこの声が……大好きで大好きで、時々誰にも聞かせたくないと思えるときがあるほどに……。
「俺を……抱きたいんだろ? シャワー浴びてる俺の隣りで、何回もひとりエッチしてたもんな……」
「ぁっ……」
「なァ……知ってたか? その隣りで、俺もバニーちゃんのことを思いながら、シテたって……」
「―――っ!!」
 反則だ、この人は……。
 なんでこんなに、僕の心を掴んでしまうんだ……。
 こんな風に、好きな人に吐息混じりの熱を孕んだ声で、対象にされていたなんて言われて、冷静でいられる男がどこにいるというんだ……。
「バニー……」
 こんな壮絶にエロティックな声を、誰にだって聞かせてなるものか……。
「虎徹さん……」
 僕はゆっくりと体を反転させながら、虎徹さんの両肩を支えて立ち上がらせた。
 自然と向き合う形になり、やっと虎徹さんの顔がちゃんと見れるようになる。
「バニー……」
 照れくさそうに頬を赤らめているけれど、視線を反らすこともせず、まっすぐと僕の目を見つめてくれる虎徹さん。
 虎徹さんの覚悟が、はっきりと伝わってくる。

『俺を……抱きたいんだろ?』

 僕の気持ちを知っていて、虎徹さんは否定しなかった。
 虎徹さんの覚悟は、そういう覚悟だ。
 僕を〝受け入れる〟覚悟―――
「あなたの言うとおりです。僕は、ずっとずっとあなたを抱きたいと思ってました。あなたが欲しくて、欲しくて……でも僕は、その……バージニティだから……我慢というよりも、勇気が出なかったんです。それでも僕は、あなたを想うだけでこんな風になってしまう……」
 今僕が一体どんな気持ちでいるのか伝えたくて、虎徹さんの右手を取り、ソッと僕の股間を握らせる。
「っ……」
「バニー……っ」
 虎徹さんの表情が興奮したような、怯えたような、なんとも言えない感じに歪む。
「コレをあなたに埋め込んで、一つになることをずっと考えていました」
「っ……」
「そしてあなたも……僕のことを思って、こんな風になってくれる……」
「ぁっ、バニーっ」
 虎徹さんの眉尻が、悩ましく垂れ下がる。
 僕が、虎徹さんの性器に触れたから。
「嬉しいです。あなたも、僕をことを思ってシてくれていただなんて……虎徹さんの中の僕は、あなたをキモチ良く導いてあげられていますか?」
「え、なにその質問。めっちゃ恥ずかしいんですけどっ」
 でも男としては、もの凄く気になるところだ。
「良いんです。僕には大切なことなんです。現実の僕は、すべてが初めてで、きっと虎徹さんを導いてあげられないと思うから……せめて虎徹さんの中の僕は、あなたをちゃんと導いてあげていられたらって思うんです」
 だから、素直な気持ちを伝えた。
 きっと僕は、虎徹さんに情けない姿を見せてしまいそうだったから。
 虎徹さんは一瞬びっくりしたような表情を浮かべたが、フッと柔らかい笑みを浮かべて、僕の頭を撫でた。
「バカだなー、バニーちゃんは……始める前から、そんな弱音吐いちゃダメだろ? 俺は気持ちよくなりたくて、バニーとセックスするんじゃない。バニーと一つになりたいから、セックスするんだ」
「虎徹さん……っ」
「それに、心配しなくても、俺の中のバニーちゃんは、スゴイぜ?」
 そういって、ニッと笑みを浮かべた虎徹さんに、不安だった気持ちが一瞬で晴れてしまった。
 本当に虎徹さんは、不思議な人だと思う。
 だから、こそこの人のことが好きになったのだと実感する。
「虎徹さん……プレゼントをください」
「え……?」
「あなたを……虎徹さんを、僕にください」
「…………」
 今日、虎徹さんに一番言って欲しいと思っていた言葉。
 結局、我慢仕切れなくて自分が言ってしまった。
 でもそのくらい、今すぐ虎徹さんが欲しくて欲しくて仕方がない。
「ククッ」
 すると、何かを思い出したのか、虎徹さんの表情が突然綻んで、くつくつと笑い出す。
「どうか、しましたか?」
 何が面白いのか、当然僕にはわからなくて首を傾げてみせると、虎徹さんは小さく首を振りながら、去年のことを話してくれて……。
「去年の今日さ……俺、なんか勘違いしちまったみてェで、すっかりバニーが自分の誕生日を祝ってもらいたがってるって、割と真剣に悩んじまってな……で、みんなでサプライズ的な企画を考えようってなったとき、ブルーローズに誕生日プレゼント何にするか聞かれて、俺『プレゼントは俺』って冗談で答えたんだよな。いや……冗談っつーか、1日何でも言うこと聞いてやるぜ? くらいの気持ちでいたんだけどさ……でも力いっぱいブルーローズに『ないない、絶対にあり得ない!』って速否定されちまって……だけど今、ブルーローズに即答で却下されちまったその〝プレゼント〟を、バニーちゃん自ら求めてくれたんだなって思ったら、なんか面白くなっちまって……」
「え……そんなことがあったんですか?」
 意外な告白に、僕は目を丸くする。
 あのときはまだ虎徹さんのことを信用し切れていなくて、突然呼び出すからまたくだらないことを企んでいるのだろうと勘ぐっていたら、やっぱりくだらないことを企てていた上に、事件に巻き込まれて……。
 ウンザリとした記憶が今でも鮮明に甦るけれど、今となってはなんと惜しいことをしたのだろうと、すごく悔やまれる。
 虎徹さんの腕が再びスッと伸びてきて、僕の首に回される。
「俺は今日……バニーちゃんへの〝プレゼント〟だから……おじさんリボンもついていないし、去年からずっともらわれることなく放置されていた〝売れ残り〟だけど……ちゃんと、俺のこともらってくれるか?」
 本気で訪ねているのか、確信犯的なのか……僕の答えなど、そんなの決まりきっている。
 僕はお返しとばかりに虎徹さんの細腰に腕を回し、ギュッと抱き寄せた。
「ンッ」
「もちろんです。やっぱり返してくれって言われても、絶対に返しませんから……あなたはもう、僕の〝プレゼント〟なんですから……今日は寝かせませんよ。覚悟してくださいね?」
「ふん……心配しなくても、そのつもりだよ。0時じゃない。〝夜が明けるまで〟が10月31日だから……」
 不敵に笑みを浮かべる虎徹さん。



 僕たちは、一つになるためにバスルームを出て、ロフトにへと上がった。



〔続きは本誌にて〕




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