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【もしにょたシリーズ1】キース×虎徹♀*エレベーターガール編*その1

突然ですが、シリーズスタートです。
しかもにょ徹です。
そのうえパラレルです。
コスプレではないですが、にょ徹がこんな職業だったら♪ を妄想に、各メンバーと絡めていきます!

トップバッターはキースさんでございますwww
ビックリなことに、カリスマ美容師です!
エレベーターガールの虎徹とどんな風に絡んで行くのか……♪

でも今回はさわやかな感じでR指定ではないです;;;





もしにょたパラレル シリーズ1 【キース×虎徹♀*エレベーターガール編*】その1





 キースは、落ち込んでいた。


 こう見えて、実はカリスマ的ヘアスタイリストのキースは、シュテルンビルト内でナンバーワンと言われていて、実際にコンテストなどで何度も優勝経験があるほどだ。
 技術もさることながら、天然キャラがウケて顧客数も断トツ。
 とても充実した毎日を送っていた。
 しかし、そんなキースに異変が起きたのは、三ヶ月前。
 年に一度しかないシュテルンビルトのヘアスタイリストの大会で、三連覇が確実と言われていたキースを、初参加の男が打ち負かしてしまったのだ。
 男は、長い間シュテルンビルトを離れていたらしく、ようやく戻ってきたことで、このコンテストに参加したという。
 自分の力を過信していたワケじゃない。
 もちろん、自信を持ってやってはいるけれど。
 それに負けたことが直接ショックに繋がっているとも、また違うように感じる。
 ただキースは、そのスタイリストのあまりの斬新さにショックを受けたのだ。
 自分は今まで、一体何を見てきていたのだろうかと……今までお客様を、本当に心から満足させてあげられていたのだろうかと……。
 キースの心に、迷いが生じてしまった。
 その迷いが技術にも影響し、顧客トップの成績も、この年入社したスタイリストに抜かれてしまった。
 とは言っても、トップの座を明け渡してしまったことに動揺しているわけではないけれど、ただ……自分はこんなにも弱い人間だったのだろうかと……キースは自分自身に葛藤を覚えてしまったのだ。


「……ハァ……」
 この日は、店のオーナーでもあるネイサンに誘われ、バーに飲みに来ていた。
「さっきからため息ばかり吐いて……最近のあなた、本当に元気がないわね……」
「……やっぱり、そう見えてしまうだろうか……」
 いつもならば、『そんなことはない!』と強く言っているところだろうが、全くその気にもなれない。
 ネイサンは、ファッション関係の様々な事業経営に携わり、キースが勤めるヘアサロンも、ネイサンがオーナーを勤める内の一つなのである。
 ちなみに今日飲みに来ているバーもネイサンがママを勤める店である。
【ソッチ】系? と思われがちだが、実はちゃんとした【女の子】が勤めるお店である。
 キースは、お客様に対しては大丈夫なのだが、いざこういう風に女性に積極的に絡まれるのは照れくさくて苦手なので、いつもカウンターに座ってネイサンと話をしながら飲んでいる。
 ネイサンはとても周囲を見ていて、気配りの行き届く人なので、いくつもある自分の店の一社員が調子を落としている姿も見落とさず、さり気なく気を利かせてくれる、素晴らしい女性(?)だと、キースはいつも感心している。
 それぞれの店でチーフを勤める者に対するメンタルケアは、特に、だ。
 キースがあからさまに調子を落としていることを、ネイサンは気にかけていたのだろう。
 だからこうして、店に誘ってくれたのだ。
 ネイサンの心配りに、いつも感謝しているキースである。

 カウンターのさり気ない位置に飾られた、一輪挿しに飾られた一本の真っ赤なバラ。
 これは、感謝の気持ちを込めて、いつもキースがこの店に来るときにネイサンに贈る物である。
 初めてコンテストで優勝したときに、ネイサンが盛大にパーティーを開いてくれたから、そのお礼にバラの花束を持って行ったのだが、
『バカね、こういう物は大好きな人ができたときにプレゼントするものよ!』
 と何故か叱られてしまったので、それからキースは一本のバラを贈るようにしているのだ。
 真っ赤な華は、ネイサンのイメージにピッタリだったから。
「で、調子を落としている原因は、なんなのかしら?」
 これは、あたしからの驕りよ、とソルティードッグを差し出しながら、ストレートに問いかけてきたネイサンに、キースは「ありがとう。そして、ありがとう!」とグラスを受け取り、さっそくそれを喉に流し込む。
「私にもよくわからないのだが……自分はもっと出来るんじゃないのかと思うと、余計なことまで考えてしまって、集中が出来ないんだ……」
「あら、ちょっと意外。優勝出来なかったことを気にしていたのかと思っていたわ。でも……あんたみたいな、普段はあっけらかんとしてるタイプって、一つのことを気にしだすと、なかなか抜け出せなさそうだものね……」
「優勝出来なかったとか、成績が落ちただとかってことは、別に気にしてはいないんだ。ただ、お客さんを本当に満足させられているのか、とても不安に思えて……」
 いつもの爽やか好青年とは程遠い、うなだれた暗い表情と、重たいため息。
「…………わかったわ!」
 しばしキースの様子を伺っていたネイサンは、何を思いついたのか、突然大きな声を出すものだから、キースは驚いて目を丸くしながらネイサンをマジマジと見つめた。
「な……なにがわかったって言うんだい?」
「あなた、息抜きとか全然してないでしょ?」
 何事かと問い掛ければ、ネイサンは身を乗り出してカウンターに肘をつき頬杖をつきながら、意味深な笑みを浮かべてみせる。
「息抜き? 毎日、ジョンの散歩をしているが……」
「あんた……それ、息抜きじゃなくて、日課って言うのよ……」
「え?」
「……やっぱり……そんなことだろうと思ったわ……」
「え?」
 キースの素のおとぼけっぷりに、ネイサンはドッとため息を漏らす。
 これだから天然は困るのよ、とつくづく思いながら。
「そもそも、あなたに浮ついた話がまったく上がってこないことに、問題があるわね……」
「浮ついた話……というのは、何だい?」
 ネイサンの言葉に、、意味を理解できないでいるキースは、ずい分と興味深い表情で首を傾げてみせる。
 天然に加え、こういった色事が少々無知なキースに、ネイサンは呆れ顔を浮かべながら、
「あなたみたいなまっすぐな人は、何か目標ができれば、それに向かって何事にも頑張ろうって気持ちに向かうものよ。それは、【女】しかりでね……あなたに、ある場所を紹介するわ」
 と、意味深にウインクをしてみせて。
「ある場所って?」
 突然の提案に、もちろんキースの頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだ。
「この間ね、ウチも出店しているヘリオスビルに私の紹介で新しいエレベーターガールが配属されていたのよ」
「エレベーターガールって……あの、『上に参ります。そして、参ります』って言う……あれかい?」
「……二回言うのは、間違いなくあんただけだわ……まァ、このさいほっといて……身長は170センチあるかしら。とってもスレンダーで、東洋人とは思えない脚の長さで……黒髪に琥珀色の瞳がととってもお似合いの、美人さんよ……あんた、意外とハマっちゃうような気がするのよね……」
「え? え? 良く、わからないのだが……???」
 ネイサンの言葉に、チンプンカンプンのキースは首を傾げるばかりだが、一方のネイサンは企んだような笑みを浮かべながら、キースの反応を楽しんでいるようで。
「明日、ちょうどお店休みじゃないのよ。ヘリオスビル、知ってるでしょ?」
「まァ、知っているが……」
「騙されたと思って、行ってみなさいよ」
「そうかい……? 君がそこまで言うのなら、行って見ることにするよ……ちょうど、買い物したいと思っていたしね」
「そうそう、その意気よ、キングっ!」
「今は……優勝逃してキングではないよ」
 ネイサンの勢いにかなり押された感はあるが、ここまで来たら乗りかかった船で提案に乗ると、ネイサンはヒューヒュー口笛を真似てかつての【称号】を口にしてくる。
 コンテストに二連覇したとき、界隈でキースに与えられた言葉だったが、今年は優勝を逃したので、その肩書きはお預け状態なのだ。
 だから苦笑いを浮かべれば、
「何言ってるのよ。私の中のキングはあんただけなんだから、別にそれで構わないじゃない!」
 迷いなく告げられた言葉。
 今の一言で、キースはスッと心が軽くなったような気がした。
 年齢的にはそれほど離れてはいないハズなのに、いくつものオーナーを務めるネイサンの人生経験は、キースにくらべ遥かに濃厚なのもだ。
 ネイサンの何気ない励ましはとても効果的で、感謝の気持ちがいくつあっても足りないと、いつも実感するキースであった。
「良くわからないけれど、エレベーターガールとやらに逢いに行ってみるよ! ネイサン、ありがとう! そして、ごちそうさま♪」
 だから、ネイサンの行為は必ず意味があると思い、無駄にはしないにしようと思ったキースなのだった。



 そして、このときはまだ、まさか自分が【一目惚れ】を経験しようとは、夢にも思わないのだった。





   *





 ネイサンに言われたヘリオスビルへやってきた。
 自分の住んでいる地区とは違うので、このデパートにショッピングへ来たことはないが、何度かスタイリングのショーで足を運んだことがある。
 ネイサンが主催の、カット、ヘアスタイル、メイクのショーで、キースはカットとヘアスタイルを担当したのだ。
 精力的なネイサンは、度々こうしたショーを各地区で主催するので、キースはその都度に呼び出されるし、コンテストで優勝経験のあるキースは一つの目玉となっているのだ。
 けれど、こうしてプライベートでこのデパートに来たことはないので、キースは何故だか些かの緊張を覚えていた。
 いかんせん、目的がキースの得意分野ではない女性である。
 仕事と割り切った時は普通に会話出来るのだが、いざプライベートになると、途端に苦手になってしまうのが、女性である。
 それでも女性とお付き合いしたことは何度かあるが……と言っても二回ほどだが、女性を目の前にするとどうしても緊張して本来の自分を発揮することができず、逃げられる羽目になってしまい、未だに女性経験がないキースである。
 ネイサンも、鋭いところを突いてくる。
 いつまでも、ひとりで仕事ばかりに夢中になっているな、といったところなのだろう。
 昨日も、
『ロマンスは、大切よ。きっと、あんたの考えを変えてくれると思うわ。それがヘアスタイルの発想にも繋がると思うのよね』
 と、ネイサンは言っていた。
 いまいち想像が持てないが、百聞は一見にしかず、と言うヤツだ。
 そんなこんなで、キースはエレベーターを目の前にしていた。
 何故か、やたらとそのエレベーターの前だけ男の姿が多いのは、
「最近、このエレベーターに、モデル級のエレベーターガールが付いてんだぜ。俺見たんだけど、マジ惚れた」
「俺も。この店に特別用事ないのに、来ちゃうんだよな」
「マジかよ、早く見てェんだけど……」
 と、三人組の男が話している横で、
「もう、めちゃくちゃカッコいいよね! スーパーモデル顔負けって感じ」
「思い切って歳を聞いたら、37って言うんだよ! ぜっんぜん見えないよね!」
 逆サイドの若い女性も、色めき立っている様子。
 どうやら男女問わずに人気者らしい。
 さすがのキースも、ネイサンオススメのエレベーターガールに興味が沸いてきた。
 ネイサンが紹介したというのだから、ある意味女性を見る目が厳しいネイサンを納得させたというだけで、どんな女性なのか興味が沸くではないか。
 エレベーターの表示が、4、3、2と点滅し下って行くにつれ、なんだかキースはドキドキと胸を高鳴らせていた。
 そして、高級感漂う音を立ててエレベーターが到着し、ゆっくりと扉が左右に開いていく。


 キースは、彼女に目を奪われていた。


「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
 エレベーターを降りていくお客に丁寧にお辞儀をし、挨拶する彼女が頭をあげ、
「お姉さん、ありがとうございました」
 と、小学低学年くらいの女の子が、お母さんに手を引かれながらお礼を口にすると、
「ありがとう。また、お母さんと遊びにきてね」
 彼女は満面の笑みを浮かべて女の子を送り出して……。
 その笑顔がとても綺麗で、みんながため息混じりに見つめながら、名残惜しげにエレベーターを降りていく。
 先ほどの男女も、ひそひそ話し持ちきりだ。
 この辺りではめずらしい漆黒の髪の毛と、琥珀色の瞳。
 長身の上に腰の位置が驚くほど高く、膝上ほどのタイトスカートなのに、スカートから覗く膝下がまたかなり長い。
 控えめなヒールのパンプスまで綺麗に見せているのは、ほっそりとした足首のお陰だろう。
 グリーンのブラウスにシックなベストと黒のタイトスカート。
 そして細い首に巻き付けられた黒いドット柄のスカーフ……。
 すべてが彼女にお似合いで、キースは目を奪われた。
 何百という女性を相手に仕事をこなしてきたけれど、こんなに素敵な女性を見るのは初めてで、キースは自分の中の時が止まってしまったかのような感覚に捕らわれていた。
「……素晴らしい……実に、素晴らしい……」
 独り言のように、彼女への真っ先に思い浮かんだ想いを口にしたとき、ふと彼女と目が合ってしまい、キースはハッと我に返った。
「乗らないんですか?」
「っ!!」
 女性としては幾分低めの、とても落ち着いた声で話し掛けられ、思わず条件反射で左右を見回してしまう。
 エレベーターから出て行くお客と入れ替わるように、待っていた客がいつの間にか全員エレベーターに入っていたようで、そんなに見惚れていたのかとキースは自分自身に驚いてしまった。
 思わず、
「あの……乗りません。そして……どうぞ」
 と、弾みで右手を差し出して『行ってください』のサインを出してしまった。
 彼女は一瞬キョトンと瞳を大きく見開いて、そして少し笑いをこらえるように口元を綻ばせると、
「またのお越しを、お待ちしております」
 と、降りていくお客へ向けるお決まりの挨拶を口にして、扉を閉めてしまったのだった。











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